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是枝監督作品「万引き家族」にどっかに投げ飛ばされた

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カンヌ映画祭でパルムドールを受賞した是枝裕和監督の「万引き家族」を見てきました。この文章は見終わってすぐにカフェに入って書いているのですが・・

 

 

正直なんいうか、、、言葉が見つかりません。

 

 

 

前回作品の「最後の家族」と似たような「ほっぽられ感」を感じています。。

 

どこか「誰も答えを知らない場所」にひとりだけ投げ出された感じです。

 

 

何を書こうかも決まっていない、ぼーっとした状態でこの文章を書いてます。

 

いつもはある程度作品の概要を知った上で、映画館へ出向くことが多いのですが、今回はほぼ事前情報なし。

知っていたのは「万引きを生業にしている家族の物語」というくらい。

 

なので、レビューも公式サイトも観てない、純粋な作品だけを観た私の感想を書こうと思います。

 

なおほぼネタバレはありませんのでご安心を。

 

 

簡単にあらすじ

舞台は現代日本。都内に住むある貧しい一家は、仕事はあれど厳しい生活。生活の一部を「万引き」で成り立たさせています。そんな家族がある時、虐待を受けている小さな女の子を拾ってしまいます。

 

「万引き家族」はそんなおばあちゃん、両親、ひとりの若い女性、お兄ちゃん、そして拾われた女の子の6人家族の話です。

 

 

作風は「誰もしらない」「そして父になる」を感じさせる

特に今回は「誰も知らない」と同じような境遇の子供たちが出てきます。所謂、ネグレクトされてしまった子供たちがテーマ。そして「そして父になる」では、親子の血の繋がりと心のつながり、一体どちらが正しいのか?というのがテーマ。

 

今回の「万引き家族」は是枝作品に共通するテーマである「親子関係」について万引きという表現を使って観ているものに問題を投げかける作品でした。

 

テーマ自体は重いですが、作品はほぼ和やかで幸せな家族の話です。

 

 

まず是枝作品の特徴・家族の何気ない会話が素晴らしい

おばあちゃん役の樹木希林、お母さん役の安藤サクラ、お父さん役のリリー・フランキーの家族の何気ない会話が本当に素晴らしいんですよね。

ユーモアもあって映画館からはクスクス笑い声も。

 

ちなみに私はいつもこの幸せな何気ない会話で泣いちゃうんですよね。

今回も普通だったら意味がわからないだろう?ところでなぜか涙が出てきてしまう。ふとした言葉や表現から、それぞれの役の家族に対する愛情を感じるからだと思います。

 

 

起承転結の「転結」が1割くらいに感じる

今回は最初の話の展開が非常にゆっくり。

このままずっと、危ういけれど幸せな家族の物語がずっと続けばいいな、と思います。

 

万引き家族はとても幸せそうです。もちろん万引きはいけません。でも、部分部分で子供やおばあちゃんにとっても最も幸せな家族の形です。

 

作中では「屋根の上に抜けた子供の歯を投げるシーン」があります。懐かしいですね、これ。私もやったなぁ、子供の乳歯が抜けたら私もやってあげよう。そんな幸せなことを考えちゃうような幸せな時間が流れる映画なんです。

 

 

ただ終わりが訪れます。

 

そしてそこから最後までの展開が非常に早い。

そして、最後、投げ出されて作品は終わります。

 

スクリーンが真っ暗になって、

エンドロールが流れてきた瞬間、

 

 

・・・・・

 

 

ま、マジ・・・え、、う・・・。。

 

 

そうきたかぁぁぁぁ・・・・。

 

 

という感じ。

 

まぁ是枝監督作品はいつもそうでしたね。まったり見れたのは「歩いても歩いても」くらいかな(笑)

 

 

ネタバレになってしまうので、細かくその理由は書きませんが、ダメージ、衝撃、疑問、憤り。そう言った何かが確実に自分の中に残る映画だと思います。

 

 

内容についてはネタバレになるので書きません。

 

 

さて、安藤サクラの演技が素晴らしかった

これまで彼女が出ている作品をちゃんと見たことがなかったのですが、この作品の主役は安藤サクラではないでしょうか。

 

おそらく今年度の国内映画賞でも数多くの助演女優賞を多く取るでしょう。

 

この家族の中心的存在で、決断力があり、そして最も愛情深い

 

 

映画の後半、池脇千鶴との会話の中で

 

「捨てたんじゃない、拾ったんです。捨てたのは誰か別の人でしょう。」

 

というセリフには心を奪われました。

 

 

わたしは家族に会いたくなりました

今日は有給を取ってひとりで観に行ったのですが、見ながら

 

「ああ自分の子供に会いたいな」

 

と思いました。

 

 

子育て世代に観て欲しい

今回は平日の昼間ということもあり、60歳以上の方が多かったように思います。ただこの映画は子育て世代にはダイレクトに何かが来ます。

 

幸せになったり、ホントに辛くなったりすると思います。ただ、子供への愛情とはなにか、血の繋がりとはなにかを考え、間違いなく自分の子供への愛情を再認識できると思います。

 

 

音楽は細野晴臣

こちらも全く知らなかったのですが音楽担当が細野晴臣でした。音数が少なく、しかし危うい家族を表現していたよい、サウンドトラックだったかと。

 

この記事はSpotifyで早速サウンドトラックを聞きながら書かせていただきました。 

 

以上です。

 

 

 

是枝作品については別の記事でも書いています。比較的テーマが重いですが、描かれる日常は、幸せとユーモアと愛情に溢れているのが是枝作品の特徴。

 

初期作品を見て観ても、是枝監督が世の中に伝えようとしていることが一貫していることが分かります。

 

万引き家族で疲れちゃった人は「ワンダフルライフ」「歩いても歩いても」をみて癒されましょう笑

kaneharu.hatenablog.com

 

それでは